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僕は弟を愛しすぎている [小説]

注意:
・ただの兄弟愛ではありません。濃い、いや恋ほうです。
・「俺は兄ちゃんを愛し過ぎている」( http://raiyan.blog.so-net.ne.jp/2012-12-09 )の兄視点です。
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*家族関係
弟の冬也は知らない、僕と両親が隠していることがある。
それは、冬也と僕は異父兄弟ということ。
僕は母の連れ子で、冬也は母と今の父との子。
冬也には死ぬまで明かさないつもりでいた。
でも、母は僕を嫌うから言動に表れてしまって、バレるのではないかと少しヒヤリとする。
母に小さい頃から嫌われているのは、僕の本当の父親にどことなく似ているからで、大きくなるにつれ行動も似てきたのが理由。
僕の父親は僕がまだ腹の中にいる間に他の女に手を出した。
それが相手の女が子どもができたから責任を取れということで母と接触したために発覚。
母は自分を裏切った男を許さなかった。
僕もそんなこと言われたら許せない。だから僕がその男に似ていくのが自分でも嫌で嫌で仕方がない。母に嫌われるのも分かる。
そういう気持ちがあるから、どう言われようと母に反抗はしない。
今の父親と暮らすようになったのは僕が2歳になったばかりのことだから、見たことのない父親よりも本当の父親のような存在で、とても穏やかな人だからすぐ懐いた。

*母と弟
母は僕が3歳の頃に産まれた弟を溺愛している。
僕も弟が小さくて可愛くてよく表情を変える弟が好きで、弟の傍を離れようとしなかった。
けれど、そんな僕を母は嫌そうに弟からいつも引き離した。
小さい僕はどうしてそんなことをされるのか分からず、泣き喚いた。
どうしても泣き止まない僕にうんざりして弟を傍にいさせると僕は泣きやんだという。
僕の記憶にはあまりないんだけど、父親からよくこの話は聞く。
今でも母は僕と弟が一緒にいるのをこころよく思わない。
「ねえ、あんたいつまでこの家にいるの?」
「ちょっと、母さん...…春十(ハルト)くんになんてこと....…」
「大学を卒業するまではここにいさせてください。お母さん。」
「あと一年もいるの? イヤねー。一年でさえ長いんだから留年なんかしないでよ?」
「はい。頑張ります。」
こんな会話はしょっちゅう。
「なんで母さんは春十にそんなに出ていってほしいの? 俺、春十とずっと一緒にいたい! 大学だって頑張って春十と同じとこ入ったのに……ねえ、春十ずっとここにいてよ! せめて俺が卒業するまで! ね! お願い!」
「ダメだよ。冬くん。冬くんは僕に勉強教えてもらいたいだけでしょ?」
「ち、違うよ! 春十が好きだからだ!」
冬くんはどうして僕が母に嫌われているかを知らないから、不思議でしょうがない。
「冬也(トウヤ)! 春十から離れなさい!!」
「は!? なんで? いーじゃん。なんで母さん、怒ってるの?」
「ごめん。冬くん。僕、部屋に戻るよ。飲み物取りに来ただけだから。」
「え? 俺も春十の部屋に行く!」
「冬也!」
「母さん、何? 行っちゃダメなの? なんで? 別に俺、春十の邪魔しねえよ。」
冬くんに理解してとも言えないから、僕は母がいる時はなるべく冬くんを引き離す。
「冬くん、僕勉強するから、1人がいいな。」
「春十が言うなら...…我慢する。」
冬くんの言葉を聞いて、母は安心したようだ。
父はこのやり取りを見て、ヤレヤレという仕草を僕に見えるようにした。
母には見えないように。

*弟と僕
冬くんが中学生の頃だっただろうか?
告白をされた。
何度か女の子から好きだと言われた事はあるけれど、さすがに男からされた事は無いし、まさか弟からされるとは予想していなかった。
その日は何も返事を返せなかった。
驚きつつも心の中で喜んでる自分に戸惑ったから。
たぶん僕は冬くんが産まれたときから好きだった。けれど、母のこともあり僕は僕に嘘を付き続けて分からなくなっていたんだろう。
気持ちの整理に一日かかった。うまく冬くんと話せなかったのは悪いと思った。
母の機嫌は良かったんだけど。
でもまた話すようになって、しかもいままでよりも親密になった僕と冬くんの姿を母に目撃されてから母は僕を家からはやく出そうとするようになった。
僕は冬くんとできるだけ長く一緒に居られるように、なにかと理由づけて粘り続けている。

*弟は渡さない
大学を卒業して独り暮らしを始めた。
と、言っても冬くんが毎日来ちゃうから独り暮らしという感じはしない。
僕がバイトから帰ってくると家に冬くんがすでにいる。
合鍵を冬くんに渡してあるからだ。
最初、合鍵は両親に渡すつもりだったのだけれど、母は受け取りを拒否した。
父は母の圧力に負けて受け取らなかった。
その場にいた冬くんが、僕の手から取っていった。
母は気分をさらに害してしまった。
「そんなのいらないでしょ! 何に使うのよ! 冬也!」
「春十にいつでも会えるように、母さんたちが受け取らないなら俺が受け取る!」
母は深いため息をついた。
「どうして、冬也は私を困らせるの? ね?」
「は?! 俺がいつ母さんを困らせたんだよ? 困らせてるのは、母さんだろ?
どうして、母さんは春十を遠ざけようとするんだよ? 家族だろ? 俺の大好きな兄ちゃんなんだよ!! 兄弟が仲良くしちゃいけないなんてどこにも決まりないだろうが!」
冬くんは気が強いから思い通りにいくまで反発してしまう。
父がまたかというように、冬くんを宥めようとするけれど、効き目がない。
そういうときは僕がでる。
「冬くん。落ち着いて。」
「春十‥‥でも...…俺‥‥‥」
「うん。その合鍵は冬くんが持っていて。それでいいでしょ?」
「うん!」
冬くんは宥めることができたが出来たが、母は相当機嫌を損ねたようで、睨まれた。
この時、初めて母に僕は睨み返した。
「春十..‥あんた....!!」
母の平手が僕の頬を打った。
「出て行って!! お願いだから出て行って! あんたなんて産まなきゃ良かった!」
「はい。そうですね。僕が産まれてこなければ母さんも苦しまないで済んだでしょうね。でも僕が悪いわけではありませんよ。あの人が悪いんです。僕はあの人じゃない。それだけはいい加減覚えてください。この際ですからいいますが、迷惑です。」
母は呆然として僕を見ていた。
「は、春十? 大丈夫か? 救急箱持ってくるから。ちょっと待ってて!」
「冬くん!……大丈夫だよ。」
「でも...…赤くなって‥‥‥冷やさないと……‥」
冬くんは目に涙をためていた。
「うん。……でも大丈夫だから。後で兄ちゃんの家来れる? 場所分かるでしょ?」
「行けるけど...…」
「ちょっとだけ兄ちゃんと二人でお話しようか。合鍵持ってきてね。先行って待ってるから。」
「あ。うん‥‥」
「ほら、泣かないで。」
冬くんの頭を撫でて実家を出た。

帰るまでに何度か父から電話があったが、出なかった。

まだ引越しの片付けが少し残っている狭い一室で、冬くんが来るのを待った。
何時間待ったのか覚えていないけれど、ちゃんと冬くんは来てくれた。
早速合鍵を使って入ってきた。
「いらっしゃい。....おかえりのほうがいいかなー。」
「春十!」
冬くんが抱きついてきた。
「どうしたの?」
「春十~! 俺、春十が好きなのに! 春十のこと全然分かんないんだ! 大好きなのに...…守ってやれなかった‥‥俺は……‥」
「僕も冬くんが大好きだよ。だから、冬くん。自分を責めないで。」
冬くんなりに悩んで爆発してしまったんだろうと思った。
「冬くんに僕、隠してることあるんだ‥‥聴いてくれる?」
「彼女ができたとか以外?」
「冬くんがいるのに彼女なんていないよ。家族の事。」
深呼吸をしてからゆっくりと話始めることにした。
「僕と父さん、血が繋がってないんだ。」
「え? どういう……こと?」
「僕は母さんの連れ子で、冬くんは母さんと父さんの子ども。
だから、僕らは異父兄弟ってことだよ。」
「嘘....冗談でしょ?」
冬くんは動揺していた。
「本当のことだよ。母さんが僕を嫌うのは、僕の本当の父親に似ているから。」
「そんな..‥じゃ、じゃあ、春十は....春十は....嫌わらるのおかしいじゃないか! だって....春十は春十なのに。」
「うん....」

冬くんに本当の事を話しているとすっかり外は暗くなってしまった。
「暗くなっちゃったね。この辺は危ないから今日は泊まって行くといいよ。狭いけどね。」
「そうする....」

*離れないように
冬くんは事実を知ってから先のように頻繁に来る。
でも、毎日泊まりという訳にいかない。
母さんが僕を嫌っているから。
それでも、僕は冬くんとずっと一緒にいたいという気持ちがいっぱいで、
日に日に強くなっておさえられなくなってきていた。

ドアの外側とは別な鍵を内鍵に取り付けて、外側とは別の鍵じゃないと出られないようにした。
その鍵の合鍵は作らなかった。
次に冬くんが来た時は、冬くんを実家には帰さない。
僕と二人でここに一緒にいたいから。
冬くんはいつも通り大学の帰りにうちにやってきた。
「あれ? 何これ? 防犯?」
「んー。まあ、そんなとこだよ。入って。」
冬くんを招き入れて、内鍵を掛けた。
「ここら辺物騒だからねー。」
「今日は冬くん泊まっていけるの?」
「いや。母さん今日早いから。」
「そう....でも冬くんはずっと僕と一緒だよ。」
冬くんは首を傾げた。
「春十?」

しばらく話して陽が沈んできた頃、冬くんは帰り支度をして
玄関を開けようとした。
「あれ? 春十ー。ドア開かない!」
ガチャガチャと何度も開けようとするけれど、細工されたドアは開かない。
僕はそっと冬也を抱きしめた。
「春十?」
「兄ちゃん言ったでしょ? 冬くんと一緒にいるって。
兄ちゃんとここで暮らそう。ね? 側にいてよ。」
冬くんの目が泳いでいた。
「俺も一緒にいたいけど....だけど....これは....」
「兄ちゃんを嫌いになったの?」
「違うよ....好きだよ。愛してる!」
「兄ちゃんも愛してるよ冬也....冬也を離したくないんだ。
ここに閉じ込めてても。歩けないように足を切断してでも。バラバラにしてでも....冬也は僕のだから。愛してる....愛してる....」
冬也は震えながら僕を抱きしめた。
「春十....どこにもいかないよ。傍にいるから。」
冬くんをもう一度部屋にいれた。
「じゃあ、僕から父さんに伝えておくから。大学はここから通えばいいよ。
実家から必要そうなのは僕が持ってきてあげるから、冬くんは何も心配しなくていいからね。」
冬くんの青ざめた顔が目に映った。
可愛い。
そっと冬くんの唇にキスをした。
タグ:BL 創作小説
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センニン

ご訪問 & nice! 有難うございました。
創作をやっていらっしゃるのですね。
また遊びにきます。
by センニン (2014-03-30 21:09) 

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